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「情報Ⅰ」とは? 2022年4月より高校で必履修科目に

「情報Ⅰ」とは?
2022年4月より高校で必履修科目に


「情報Ⅰ」は2022年より高校の必履修科目とされ、2025年からは共通試験科目として導入されることになっています。今「情報Ⅰ」は、コンピュータを使った情報処理能力や情報活用能力を養う科目として新たな時代を迎えています。本記事では、学習指導要領における「情報Ⅰ」の学習内容、学習方法などの学習指針を紹介します。


「情報Ⅰ」とは?

「情報Ⅰ」は、平成30年(2018年)に告示された新しい学習指導要領に基づき、2022年4月から高等学校において共通必履修科目として新設された科目です。


「情報Ⅰ」が新設された背景

平成28年の中央教育審議会において、次回の学習指導要領改訂の際に考慮されるべき課題が議論されました。その内容をまとめると以下になります。

・ 近年の急激な情報技術の進展に伴い機器やサービスの選択・活用が不可欠

・IT人材のすそ野を広げる重要性の高まり

・情報科に対する環境や指導力不足

<出典:情報編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (PDF:3.6MB)6頁|文部科学省


「情報Ⅰ」の目標

上記のような課題に対し、「情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる力や情報モラル等、情報活用能力を含む学習を一層充実するとともに、高等学校情報科については、生徒の卒業後の進路等を問わず、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を育む」<出典:情報編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (PDF:3.6MB)6頁|文部科学省>という目的で新設されたのが「情報Ⅰ」となります。

特に目標については以下の3つが挙げられています。

(1)効果的なコミュニケーションの実現、コンピュータやデータの活用について理解を深め技能を習得するとともに、情報社会と人との関わりについて理解を深めるようにする。

(2)様々な事象を情報とその結び付きとして捉え、問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。

(3)情報と情報技術を適切に活用するとともに、情報社会に主体的に参画する態度を養う。

<出典:情報編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (PDF:3.6MB)22頁|文部科学省


「情報Ⅰ」の学習内容

具体的な学習内容としては以下の4つが提示されています。情報編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (PDF:3.6MB)23~40頁|文部科学省の内容を抜粋してまとめてみます。

情報社会の問題解決

身につけるべき知識や技能、思考力など:

・情報やメディアの特性を踏まえた問題発見・解決の方法

・情報に関する法規や制度、情報セキュリティの重要性、情報社会における個人の責任及び情報モラル

・情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響

コミュニケーションと情報デザイン

身につけるべき知識や技能、思考力など:

・メディアの特性とコミュニケーション手段の特徴

・情報デザインが人や社会に果たしている役割

・効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法を理解し表現する技能

コンピュータとプログラミング

身につけるべき知識や技能、思考力など:

・コンピュータや外部装置の仕組みや特徴、コンピュータでの情報の内部表現と計算に関する限界

・アルゴリズムを表現する手段、プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法

・社会や自然などにおける事象をモデル化する方法、シミュレーションを通してモデルを評価し改善する方法

情報通信ネットワークとデータの活用

身につけるべき知識や技能、思考力など:

・情報通信ネットワークの仕組みや構成要素、プロトコルの役割及び情報セキュリティを確保するための方法や技術

・データを蓄積、管理、提供する方法、情報通信ネットワークを介して情報システムがサービスを提供する仕組みと特徴

・データを表現、蓄積するための表し方と、データを収集、整理、分析する方法


「情報Ⅰ」の共通テストとは

大学入学共通テストでも新学習指導要領の内容を受け、令和7(2025)年より「情報」の科目が新設されることとなり、その出題範囲は「情報Ⅰ」です。
共通テスト2日目の最終科目として60分の試験時間で100点満点の出題が予定されています。
ただしまだ新設されて間もない科目であることから、旧学習指導要領にある「『社会と情報』及び『情報の科学』のいずれの科目を履修していても不利益が生じないよう、両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、『社会と情報』に対応した問題及び『情報の科学』に対応した問題を出題し選択解答させる。」と予告がありました。<出典:令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等の予告(PDF)|独立行政法人大学入試センター>


情報ⅠとⅡの違いとは

まず、「情報Ⅰ」は共通必履修科目,「情報Ⅱ」は選択科目となっている点が大きな違いです。
学習内容の違いは、「情報Ⅱでは情報システム、ビッグデータやより多様なコンテンツを扱うとともに、情報技術の発展の経緯と情報社会の進展との関わり、更に人工知能やネットワークに接続された機器等の技術と今日あるいは将来の社会との関わりについて考えさせる。」<出典:情報編 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (PDF:3.6MB)8頁|文部科学省>となっていることからも、「情報Ⅱ」は「情報Ⅰ」の内容を元にした応用力を養う科目という位置づけになっています。


情報Ⅰは今後もますます重要度が高まることは間違いなし

情報技術の進歩に伴い必履修化が行われた「情報Ⅰ」ですが、海外と比べるとまだまだ後れをとっていると考えざるを得ない状況です。
指導者育成の面でも後手になっている印象があり、今後は一層スピーディーな対応が必要となっていくでしょう。
学校だけに頼っていては追いついていかない現状を考えると、今後は個人や民間レベルでの取り組みにも期待したいところです。


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