EDIX関西 来場者インタビュー3 学校法人 博多学園
~志明館の開校に向けて EDIXで得たものをどう活かしていくか~

EDIX関西 来場者インタビュー3
学校法人 博多学園
~志明館の開校に向けて
EDIXで得たものをどう活かしていくか~


(EDIX関西2022 展示会場にて 左からEDIX事務局 花籠良、学校法人博多学園 志明館開校準備室 教務グループ 副グループ長 齊藤啓亮氏、EDIX事務局 木村薫、神田百合野)
 

今回は学校法人 博多学園(福岡県) 志明館開校準備室 教務グループ 副グループ長 齊藤啓亮 氏からお話を伺いました。2024年の開校に向け、情報収集から導入・検討を行っている中、6月のEDIX関西だけでなく5月のEDIX東京にもご参加くださったとのこと。志明館の目指す教育に加え、EDIXにご来場された目的や感想、その後の導入・検討状況など、EDIX関西が終了してから約1ヶ月後というタイミングで、インタビューさせていただきました。


「しなやかにとがれ」をテーマに、2024年開校予定の志明館の特色とは

事務局:開校予定の志明館は、どんな学校なのでしょうか?学校の特色や教育への想いなど、教えていただきたいです。

齊藤氏:まず本校のテーマとしてあるのは「しなやかにとがれ」。世界で活躍できる人を育むというところを目指しています。開校する場所は北九州市の小倉ですが、全国からでも来られるように寮も作っており、開校に向けて準備を進めています。
小中一貫校なのですが、9年間を4期に分け、1・2年生、3・4・5年生、6年生・中1・中2、それから中3、というように「2・3・3・1制」というシステムも特色の一つです。

本校は単純に勉強するだけの進学校ではなく、心を育てること、課題を解決する力や社会に対して積極的に関わっていく主体性など、学力以外の「感性」「国際性」「科学的創造(想像)性」の育成を重視しています。
例えば、単に英語学習をするだけではなくて世界の価値観、それから日本人の価値観、そういったものをしっかり理解することや、科学的創造性・STEAMの理念なども盛り込んだ教育で、世界に活躍する人材の育成をしていこうと思っています。

ただ実際に、小中学校で重視されているのは習得と活用です。そこはできるだけシンプルにしたいと思っています。個別最適化や支援アプリなどを使いながら、効果的に短い時間で実施しようと考えています。いわゆる教科書の内容で覚えるべきものや身につけるべき計算力、そういったものは「土台教育」と呼んでアプリを使って学習し、道徳など人間力を養う部分については「人間力教育」と呼んで、偉人伝を用いるなどして、こちらにも十分な時間を割けるようにしています。
また、自ら発憤して学ぶ「発憤教育」も重視をしていて、とにかくしっかりと自分の心で学ぶこと、つまり教えられる学びではなく、自分から気づいて学んでいくことを大切にします。やらされる勉強ではなくて、自ら学び、そしてその中で自分だけの尖ったものを探し、伸ばしていくことを考えています。

事務局:ご説明、ありがとうございます。改めて、素敵な理念や想いをお伺し、志明館を卒業する子ども達の未来がどんなものになるのか、とても楽しみです。

志明館Webサイト:https://shimeikan.education/


GIGAスクールだけでなく、STEAM教育にも力を入れていく

事務局:今、GIGAスクールで1人1台端末がどの学校でも整備されつつありますが、志明館でも1人1台端末の計画はされていますか?

齊藤氏:はい。できれば教科書を持ち歩くということは極力なくし、タブレットを使い、負担をできるだけ軽くしたいと思っています。

事務局:志明館の教育方針の中にあったSTEAM教育では、充実させるための設備や新しい教材だとか、そういったものは考えられていますか?

齊藤氏:例えば、新渡戸文化学園(東京都)がされている「VIVISTOP(注1)」のようなものも導入していこうかなと考えていて、とにかく発想力を豊かにするような取り組みを意識しています。
それ以外に進めているのが、地域や近隣の企業と提携しながら、企業の人と共に授業を作っていくことです。今、サマースクールで地域の企業とコラボした授業を行っていたりするのですが、そういうこともSTEAM教育の一つとして取り組もうと思っています。よくある社会科見学や出張授業ではなく、企業と協力し合い、子どもが発憤するような授業も準備しています。

(注1)VIVISTOP:VIVITA JAPAN 株式会社が運営するクリエイティブラーニングスペース(https://vivita.club/


いいとこ取りで良い授業をしたい。一度にたくさんのことを知るならEDIX

事務局:今回、EDIXにご来場された目的は何ですか?先ほどのお話にあった個別最適化の強化などでしょうか?

齊藤氏:そうです。まず教科書を覚えるだけのものや計算などはとにかく効率的にやりたいと考えています。進度の遅い生徒に合わせることで、速くできてしまう生徒がふきこぼれてしまうのもよくないので、この辺りは個別最適化アプリをうまく使っていきたいと思っています。

あとは、授業支援ソフトですね。課題の配信や授業の進行、そのあとグループ交流学習をする、といったようなことがアプリでどうできるのかも知りたいと考えていました。

とにかくいろいろと調べてみて、いいとこ取りでいい授業ができればと思っています。そんな中で、そうした事例をたくさん知ることができるのが、EDIXだと思い、参加しました。


各企業の特長をその場で比較できることが、ありがたい

事務局:実際にいろいろな事例を見られるというところで、会場へご来場いただき、いかがでしたか。


齊藤氏:一番いいところは、個別に自分で調べるのと違って、比較できることですね。
例えば、校務支援ツールの一つとして、出席を管理するシステムを見させていただきました。教員の働きやすさというところも意識はしており、本校の場合は学校スタート時点から電子化し、効率的な形がとれることを、非常にメリットだと考えています。会場では、いろいろな企業の得意・不得意分野、それから単純な掲示方法ひとつとっても、企業ごとに非常に特長があるので、それらを比較できたというのは大変ありがたかったですね。

事務局:比較できることの良さは、会場にお越しになったからこそ感じていただけるものですよね。その他にも、授業支援や個別最適化など、さまざまな課題に合わせて幅広く見ていただけましたか?

齊藤氏:そうですね。まだ開校まで時間があるので、今あるものを具体的にすぐ変えるとかというよりも、情報を広く集めて、じっくりとミーティングして、導入を進めていきたいと思っています。具体的に体験版をご提案してくれた企業もいらっしゃいます。

事務局:今は体験版などを試しながら、導入検討の段階ですか?

齊藤氏:そうですね。検討委員会がありますので、職員の会議などで授業支援アプリを使ってみて、いろんな方の意見を聞きながら、最終的な判断をしようかなと考えています。

事務局:会場をご覧になって、良さそうなものは今後導入するかどうかを判断されているところですね。導入を決めた製品は、現段階ではありますか?

齊藤氏:ほぼ確定なのが個別最適化アプリのモノグサですね。本校は小中一貫校ですが、先ほど申し上げた通り、2・3・3・1制です。通常の進め方ではなく、中学校2年生までに3年生の過程が終わるようにカリキュラムを作っています。そのため、本校独自のスタイルに変更しながらできるのかなど、そういった部分を今、詰めているところです。

とりあえず、どういうものがあるのかを広く知ることから入り、その中でこれとこれがいいだろうというのを絞り込み、具体的に使ってみることで「こちらでいこう!」と納得して決めることができます。
EDIXがあったおかげで、情報収集が非常に効率的にできました。東京に行かせていただいた後に改めてそれを実感し、関西にも行った方がいいなと思いました。東京で集めた情報を関西で改めて確認するという意味で、2回行けたのは、非常に良かったです。

事務局:東京にも関西にもご来場され、展示会という場をうまくご活用いただき、ありがとうございます。そのようなお言葉をいただき、事務局としても大変嬉しいです。ちなみにモノグサさんについては、展示会に来たことで、改めて決め手になった部分はありましたか?

齊藤氏:ほぼ決まってはいたのですが、他のものと比較してみて、やっぱりモノグサが良いなと再認識できたというところでは、大変収穫になったかなと思います。

 

(EDIX関西2022 展示会場にて 博多学園 齊藤氏 各社のブースで製品の体験や比較いただきました)


比較できるからこそ、必要なコストの見極めができる

事務局:予算的には、校舎とかそういうものを除いても、やはり数千万円は考えられているのでしょうか。

齊藤氏:全体では何億という規模になりますが、ICTの部分も前提とした予算を最初から組んでいます。ただ結局いらない部分を減らすっていうのも大事だと思ってますので、削る部分はしっかり削るということはしています。うまく調整しながら、全てをICTにするから高くなったではなくて、効率化をしながら予算立てをしていければと思っています。

事務局: EDIXが立ち上がった13年前は、私立も含めて学校では比較して何かを決めるということはしていませんでした。学校に出入りされている業者の方(販売会社)がいらっしゃって、そこに依頼をして「はい、この値段で」ということが普通だったと。
それが、EDIXに来たことによって「このような企業もあったのか」とか「販売会社の人からこのくらいやるのにこのぐらいの値段がかかると言われたけど、もっと安くて、いいものができるんだ」みたいな話はよく聞きます。そういった意味ではEDIXに来ていただくことで、本当に妥当なコストかどうかを判断するという部分でもお役に立ていただけたのではないかと感じました。

齊藤氏:選ぶ基準というのは、たくさん見た中で知識がついてようやくできているものなのだと思います。ですから、東京で見たときは正直、全てすごいと感じていました。でも2回目に行くとその前提があるので、冷静な目で見られます。
また先ほど言われた通り、学校というのは販売会社からしか情報を得られないことが多かったので、基本的に物を判断する基準がありませんでした。そのため、販売会社の言う通りにしてきたわけです。コスト感覚や判断基準を持つためには、EDIXは良い機会だと思います。


EDIXは、最新の教育事情に触れられる場

事務局:同じような教育関係の方々に向けて、メッセージをお願いします。

齊藤氏:EDIXでは最新の教育事情にも触れることができます。現場にいると比較する場というものがなく、そんな中で、会場に行けば比較できるというのは非常にありがたいことです。こういうところに参加しながら、最新のものを知り、時代の変化に合わせて現場を変えていくことが大事だと思っています。EDIXは最新の情報を知れるし、その場で比較できる良い機会だと思いますので、いろいろな人に参加してもらうことで、日本の教育全体が良くなっていくことにつながるのではないでしょうか。

 


EDIXとは
学校・教育機関、企業の人事・研修部門など教育に関わる方に向けた日本最大の展示会です。
年に2回、東京・関西で開催をしています。
 

来場に興味のある方は下記から詳細をご確認ください。