タブレット学習で何ができる? メリットと課題を解説

タブレット学習で何ができる?
メリットと課題を解説


GIGAスクールで全国の小・中学校に一人一台のタブレット端末が配布されました。また、塾や自宅で、一人で学習できるタブレット教材も多く出てきており、利用している子ども達も多いです。現在、学校現場で活用されている例はまだまだ少ないですが、学級閉鎖、休校などに備えてタブレット学習を活用する機会が今後増えてくるでしょう。
そこでこの記事ではタブレット学習の課題も踏まえながら実施していく方法について紹介します。


タブレット学習が教育現場で導入される背景

そもそもなぜタブレット学習が導入されるようになっているのでしょうか。学校現場では一人一台の情報端末配布が1つのきっかけになっています。情報端末を持っている子どもと持っていない子どもがいる場合、タブレット学習は不公平感をもたらしますが、一人一台の情報端末が配布されている現在においては、児童・生徒全員がタブレット学習を行うことが可能となりました。
一部の塾では先行してタブレット学習が導入されていました。その理由は紙の学習ではできないことがタブレット学習ではできるからです。例えば、問題の出題から丸付けまで自動でしてくれるツールがあります。AIが子どもの理解度に応じて、問題の出し分けをしてくれるので、効果的に学ぶことができます。
また、自動で点数も記録されるため、塾の先生はもちろんのこと保護者の方も現在の学習状況が把握しやすいです。さらに先生が常に生徒の横に立って教える必要がありません。そのため人手不足の塾業界では、先生が少なくても授業が行えるという理由もあるでしょう。


タブレット学習のメリット

タブレット学習にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットについて説明します。

1.子ども達が興味をもって学べる
タブレット学習では、動画、アニメーションなども使えるため、子ども達の理解をより深めることができます。たとえば立体図形。アニメーションを活用することでさまざまな角度から立体図形を見られるだけでなく、簡単に展開図を作ることもできます。そのため、紙の教科書上では分かりにくい立体図形と展開図の関係を、理解しやすくなります。また、算数の問題に正解するとメダルがもらえるといったゲーム感覚で楽しんで学ぶことができる教材もあります。メダルを集めるために子どもたちは興味を持って学習に取り組み、楽しみながら算数の力を伸ばすことができます。

2.アクティブラーニングに適している
現在、小・中学校でタブレットが最も多く使われるのがグループ学習です。わからないところを調べたり、自分の調べた内容を発表したり、意見交換するのにタブレットが適しています。このことで、新学習指導要領で示された「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)を実現できます。

3.自分のペースで学習できる
通常の教室授業の場合、集団授業になるため自分がわからなくても授業は先に進んでいきます。反対にもう自分は分かっているのに授業がなかなか進まないこともあるでしょう。その点タブレット学習であれば、自分のペースに合わせて学習することが可能です。苦手なところは繰り返し学習し、わかっているところは学習しなくてよいので、一人ひとりのペースに合わせた学習ができるというのは大きなメリットでしょう。

4.児童・生徒の学習管理ができる
タブレット学習では、一人ひとりがどの問題に取り組んでいるかチェックでき、またそれぞれの単元で点数がどれくらい取れているのかも確認できます。ひとクラス30~40人になってしまうと、一人ひとりの学習状況に目が届きません。その点、タブレットの場合、学習状況は一括管理できるので、それぞれの児童・生徒が今どの問題でつまずいているか把握しやすいでしょう。こういった状況が把握できれば、児童・生徒にどのような学習をすればいいのかアドバイスができ「個別最適な学び」を提供できるわけです。この点もメリットのひとつです。


タブレット学習の導入事例

タブレット学習の導入はさまざまな小・中学校や自治体で行われています。ここではその中でも三つの事例を紹介します。

・宮崎市教育委員会

AI型教材Qubenaを活用しています。QubenaはAIを使った学習システムで、それぞれの児童・生徒がわからないところをAIが判定し、問題を出題してくれます。そのためすでに学習した内容でわかっていない部分を復習するのに最適です。それぞれの児童・生徒がそれぞれ異なった学習を自分のペースでできるというメリットがあるようです。
https://ict-enews.net/2021/12/09qubena-2/

 

・高松市立香南小学校

高松市立香南小学校では「すらら」を使って学習しています。先に進んでいる児童は、すららドリルを進めます。一方わからない問題がある児童は、先生がじっくり見るという形での分業がうまくいっているようです。
https://ict-enews.net/2021/12/21surala-14/

 

・京都教育大学附属京都小中学校

京都教育大学附属京都小中学校ではデジタル教材「BOOKFLIX」「Literacy Pro LIBRARY」を導入しています。これらは多読のための教材で、現地の子ども達たちが触れている本を読めるサービスです。自分で好きな本を選んで読んでいるため、英語が苦手でも洋書を読む子どもが増えているとのことです。
https://ict-enews.net/zoomin/danke-ja/


タブレット学習の取り組み方

タブレット学習のメリットと導入事例について触れましたが、決してこれまでの紙を使った授業をなくし、すべてをタブレット学習にした方がいいわけではありません。漢字の学習や計算式を紙に書くことで、頭だけでなく体で覚える、学習の全体像をつかむことができるなど、タブレットではできないことも多くあります。今後は、紙とタブレットをうまく組み合わせることで、子ども達の理解度や学習の質を効果的に上げていくことができるはずです。


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